記録

書いてる人・・・19歳。大学生。(それだけで説明が済む。便利だね。)

私はどんでん返しに屈さない

小説とか映画には「衝撃のラスト」みたいな謳い文句があります。

(いわゆる、どんでん返し)

 


いや、言うなよ

 

 

と思います。

 

 

もうさぁ、想像しちゃうじゃん。

 

いろいろ。

実は主人公が一番の悪役とか

全部、主人公の妄言だとか

一番身近な人が実は黒幕とか

登場人物全員が主人公をはめてるとか

いきなり通り魔に襲われて終わるとか

実は犯人はオランウータンとか

この世界は一度滅んだあとの世界とか

 

 

衝撃のラストといいつつ、

想像を超えてこなかったり、

途中で結末が読めたり、

思ったほどの衝撃がなかったりしたら余りにも残念すぎる。

 

逆に完全に裏切られたとしても、

自分からどんでん返しの罠にハマりに行って、

まんまとハマるのは癪に障る。

 

そんなことを考えて、

私はどんでん返しを謳うものを読んだことも見たこともありません。

言うなれば、どんでん返されたことがありません。

 

 

 

ただ、食わず嫌いはよくありません。

このまま死ぬまで、見たこともないのに

「どんでん返しがあるって言っちゃったらさwww」

なんて映画館や本屋さんでほくそ笑んでるのは正味ダサい。

 

 

ここは一度、

  どんでん返しにハマりに行ってやろうと思います。

 

 

 

 

そこで今回読むのは

アガサ・クリスティ「そして誰もいなくなった」です。

インターネットによるとどんでん返しがあるらしい。

ミステリーはあまり読まないので、

この機会に名作に触れてみようと思います。

 

そして誰もいなくなった」というタイトルから、

最後には登場人物全員いなくなるとか、

主人公がいるならその人が黒幕とか、

あるいはバットエンドとか、

色々と想像できますがいかがなものか。



 

 

 

 

 



ーーーーーーーーーーー読了ーーーーーーーーーーーー

一気読みしました。

名作の感想なんて偉い人たちが書き尽くしているだろうけど、

感想を書きます。

 


まず、どんでん返しを食らったかというと、

食らいました。

 

 

黒幕に関しては銃声が聞こえないなんてことあるかと思いはしましたけど、

結局結末を読み切れなかったのでまんまと食らいましたね。

 

ただミステリーをあんまり知らないので

こういう結末になるものなんじゃないかみたいな感じはしました。

 

どんでん返しはある程度パターンを知っているからこそ

衝撃を受ける玄人好みの仕掛けかも知れません。

 


ただ、めっちゃ面白かったです。

クローズドサークルな館なんて王道な舞台も含めて。

(こういう名作が王道を創ったのかも知れませんが)

 

 

ミステリーって最初に謎があってだんだんその真相に迫っていくものだ

と思っていたのですが、

終始全員が謎に翻弄されていて、ずっと緊張感と不気味さがありましたね。



登場人物もキャラクター紹介がしっかりしてて愛着は湧くけど、

みんな各々怪しくて犯人のU・N・オーエンは彼女なのかって感じになるし、

みんなそれなりに悪いことをしてるせいでバタバタと死んでいっても、

何というか、

そこまで心が荒むことがなく読めました。

 


あと、プロットになってる童謡で、死に方がある程度示されているので

ミステリーとかサスペンスというより、

デスゲーム作品みたいなドキドキがありました。


歌詞にある単語とか状況が出てきたときに、

「まずいぞォ、これは何か起こるぞォ」

身構えることができるのも

物語の盛り上がりを100%で楽しめるので良かったですね。

 



何が起こるかについては、童謡でネタバレされているけど、

それでも全然ドキドキして読めました。

 

 

というか、

それぐらいネタバレされた方がいいのかも知れない。

(この小説にとって、童謡がネタバレかは怪しいけど)

 

 

普段、小説も映画も大して触れない私みたいな人にとっては、

400ページ近い文章を何の展望もなく読み切るのは結構きついです。

終わりの見えない闇の中を何時間もかき分けながら読んでいかないといけないから。

 

その点、適度なネタバレをされていると、

結末の仮説を立てることができたり、

そこに至る過程が気になったりして、

読むモチベーションを生まれます。

 

あと、物語の核が分かっているが故に、

何を面白がって読めばいいのか分かるのもあるかも。

 

 


自分の言葉か他人の言葉か定かではないけど、

「ネタバレをされても面白いのが本当にいい作品だ」

という言葉をネタバレされたときは、よく自分に言い聞かせています。

 

高校生の頃、教室で

「五条悟死んじゃったんだけど」

という話がどこからか聞こえてきたことがあります。

 

私は、呪術廻戦は単行本しか読んでいないので「オイオイオイ...」となりましたが、

だからこそ過程が気になったし、

その真実を見届けることが読む目標になったような気もします。

(それ以上のネタバレがあったら結構萎えたけど)

 

 


「衝撃のラスト」とか、「どんでん返し」とか、

予告とか本の帯で言ってしまうのは、

そこが売りで、最高に面白い作品だということを伝えるよりも、

観客や読者に「結末が気になる」とか

「結末を見事に当ててやる」というような、

作品を最後まで見届けるための意欲や目標を与える効果

があるのかなと思いました。

 



とはいえ、思い通りにどんでん返されると、してやられた感がありますからね....。

私はどんでん返しなんて口説き文句には屈しませんよ。